中古住宅の床下に潜入!購入前に床下をチェックするメリット

2020/05/26

リノベ

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築35年の中古戸建物件の内覧に行ってきました。



さすがに古い物件なので内装はかなり傷んでいます。
要するにリフォームが前提となるただの古い家なので、表面的な部分をじっくり見ても意味はそれほどありません。

こういう時は家の骨組みである『躯体』をチェックしたほうが得られる情報が多い場合があります。
もちろん、不動産屋さんに立ち会ってもらっているのにいきなり床下に潜り込んだらビックリされてしまいますので、床下を見ることができる物件なのか事前に担当者に確認しておきましょう。

ママたぬきはいつもお友達の不動産仲介屋さんに内覧についてきてもらっているので、ちょっと変わったお願いでも気軽にできちゃいます。
不動産を買ったり借りたりする時のためにも、普段から不動産屋さんのお友達を作っておくと心強いですよ。

床下チェックのための事前準備


床下に潜るには、まず床下点検口や床下収納があることが前提となります。
入口がなければ床下に入ることはできません。
まず物件に到着したら床下に潜れる場所を探しましょう。
古い家ならキッチンに床下収納が大体あるはずです。

当然ながら床下は日中でも真っ暗なので照明が絶対に必要になります。
懐中電灯でもいいんですが、オススメは充電式のLED作業灯です。
手に持ちやすい形状で、照射範囲が広いため床下全体を見渡すことができますし、スマホでの写真撮影も可能になります。

また基本的に床下には部屋の壁に沿って基礎で囲われています。
意外と入り組んでいて油断すると現在位置を見失ったりしますので、ライトは明るければ明るいほど良いと言えます。

次に服装です。
昭和に建てられた戸建のほとんどが布基礎(ぬのきそ)と呼ばれる方式の基礎を採用しており、床下は地面の土がそのまま見えている状態です。

この中を這いつくばって移動するわけですが、当然服が汚れます。
不動産屋さんが嫌がるとしたら、床下から出てきて部屋を汚してしまうかもしれないという点が一番不安なんじゃないかなと思います。

ですので、下に入るために、着替えと予備の靴は必ず持って行きましょう。
服装のオススメはツナギ服です。
地面をほふく前進してもお腹に土が入り込みません。

さらに、床下点検口から出てきたときに室内に土をバラ撒かないために、新聞紙などで周囲を養生しておくと良いでしょう。

最後は間取り図です。
間取り図を見て常に現在地を把握しておきます。

床下ダンジョンに潜入




大げさでもなく第一印象はRPGのダンジョンです。
床下高さは高くても40cmほどと非常に低く、木造であれば床を支えるための床束という柱が等間隔に立っています。


この床束を『根がらみ』という横板で連結してあるため、人間が移動できるのは基礎に近いほんの少しのスペースだけとなります。
そのため方向転換すらままなりません。



この戸建はPC造(プレキャストコンクリート造)というパネル式鉄筋コンクリートによる構造のため、床の作りが少しだけ特殊です。
写真の真ん中あたりまでは基礎ですが、そこから上はコンクリート製の壁になります。



購入前に自分で床下をチェックするメリット


床下に入る目的としては大きく三つあると考えています。

①家の構造や配管設備の位置を知る
②床下の水濡れや劣化状態の有無の確認
③シロアリ被害の有無の確認

シロアリについては、専門家でなければ判断が難しい部分もありますが、『蟻道』と呼ばれる見るからにシロアリの通りそうな土のトンネルが基礎に張り付いていたり、木材が食い尽くされていたならば、その物件はシロアリ対策が必須となるので注意しましょう。

プロに学ぶ!シロアリ対策の基本
第1話「お父さんのシロアリ対策で大丈夫かしら?」初めてのシロアリ対策を学ぶ
https://www.asante.co.jp/stories/01.html

床下の水濡れや湿気は要注意です。
健康な家の床下は風通しが良く、地面の土は乾燥しています。
これがもし水気を帯びている場合、水がどこからか流れ込んでいて床下全体が湿気ているということで、木材の劣化の最大の要因にもなります。

せっかく床下に潜ったのならば、基礎内をくまなく移動して湿気や劣化をチェックしておくと良いでしょう。



奥に見える四角い開口部は『人通口』と呼ばれる基礎内の抜け穴です。
基礎は家を支える重要な部分のため、ところかまわず人の通り道を開けることはできません。

基本的に部屋を移動するためには人通口を抜ける必要がありますが、その大きさは横幅約60cm x 高さ約35cmととても狭いため、大柄な人はかなり窮屈な思いをすることになるので注意してください。

明るいライトがないとパニックになるかもしれませんよ。
ママたぬきは途中迷子になって出口が分からず焦りました。



そして床下に潜る最大のメリットはその家の状況を自身の目でしっかり見られることだと思います。

専門業者のかたに調べてもらうのもよいですが、やはり自分で一度見ていれば打ち合わせの話の中でも状況を掴みやすくなります。



この黄色い綿のようなものはグラスウールの断熱材です。
一目で分かりますが、経年劣化により袋が破れてダメになってしまっていますね。

これでは断熱効果は期待できませんが、リフォームで床を張り替える場合は一般的にコストを抑えるため、上張りといって既存のフローリングには手を加えず上から新しい床材を重ねていく工法を用いることがあります。

断熱材が剥がれ落ちていることを事前に知っておけば、その対策をリフォーム見積もり時にこちらから指摘することも可能になります。



ちょっと伝わりにくいかもしれませんが、左側はコンクリートの壁がありません。
実はこの上の室内には繋がった壁があるのですが、抜ける壁の部分と抜けない壁の部分が存在しているということが分かります。

これはリフォーム時のとても重要なヒントになりますね。
もし購入を検討している中古戸建物件があった場合は、自身で床下をチェックしてみるのも良い経験になると思います。




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