金銭的な損得勘定だけで太陽光パネルを載せてはいけないという話

2020/05/25

リノベ 家づくり

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太陽光パネルが屋根に載っている家、本当に多くなりました。

新築戸建ての場合はほとんどの方が太陽光パネルを屋根に載せるという選択をするのではないでしょうか?
メリットとしては光熱費を削減したり売電収入を得たりと、太陽光発電と聞くとおトクなイメージが浮かびます。

しかし今では固定価格買取制度(FIT)による売電の単価が下がってきたということもあって、太陽光パネルを屋根に載せるメリットよりデメリットを強く訴える建築関係者の方も増えてきました。

太陽光パネルに否定的な意見としては、初期投資に対する利回りが低いので、故障や自然災害による被害を受けたときにマイナスのほうが大きくなってしまうという未知のリスクを危惧するものや、太陽光パネルの設置により屋根のメンテナンスが困難になったり、太陽光パネルにこだわり過ぎるあまり外観や間取りが制限を受けてしまうなど、建築物の目線から具体的に指摘したものなど色々あると思います。

正直なところ、一時前の高単価での売電価格設定や設置助成金などにより、太陽光発電バブルとも呼べる異常な状況が作られていた気がします。
結果として田舎の山林が太陽光パネル設置のために乱開発されたりとネガティブな面も目立ちました。

これらの異常な事態が是正されることにより、より冷静な目線で太陽光パネルの設置について検討できる段階に進んだとも言えるでしょう。

太陽光パネルは載せるべき?それともやめるべき?


それでは結局どっちがいいのか?と言っても、まだ10年後の買取固定期間が終わった後の売電単価も分かりませんし、読めないリスクを加味して金額的に採算が取れるか取れないかという発想では答えを出すのは難しくなります。

ここはシンプルに『自分の家の屋根で電気を作りたいかどうか』で決めるのはいかがでしょうか?

戸建にできてマンションでできないことに庭での家庭菜園があります。
もちろん例外はあるにしろ、太陽光パネルを屋根に載せるという選択肢に決定権を持つのは戸建の家主だけです。
空から降り注ぐ太陽光で電力を生み出すというのは極めてエコロジーですし、ごくわずかではありますが発電所で燃やされる化石燃料の削減にも繋がります。

『自分の家の屋根でクリーンエネルギーを作って自家消費する』
これは例えるなら家庭菜園とそっくりです。

太陽光パネルを設置する1番の魅力は、なんといっても自分の家の屋根でクリーンなエネルギーを何もない状態から生み出せるというところに尽きるんじゃないかなと思います。

まさか家庭菜園で完全自給自足で野菜を作って近所のスーパーマーケットの価格と張り合おうなんて人はいないと思いますが、仮に庭で作った野菜をスーパーマーケットが高く買い取ってくれたとしたら、多少ムリしてでも頑張ってしまいますよね

その欲こそが『太陽光パネルありきの家づくり』です。

実はママたぬきも以前に新築プランを進めていたことがあり、その間取りが太陽光パネルを載せる前提で設計されたものでした。

二階の屋根を南に傾斜させるため、どうしても南面の開口部に制限が出てきてしまい、反対に北側は壁が高くなります。
太陽光パネルのために自然光を犠牲にしては本末転倒ですが、実際にそうなってしまっていました。

家庭菜園で例えるなら、建物面積を削って畑を作るようなものですね。
そんなムダことをするよりも、必要な時に近所のスーパーマーケットで種類豊富な食品を買いに行ったほうが遥かに賢明な判断です。

あくまで趣味の範囲でやるとか、昨今のコロナ禍による外出自粛のような不測の事態でも、自分たちが食べる分はとりあえず確保できているという安心感を得られるとか、太陽光発電も今はまだその程度のものだと考えておいたほうが良いと思います。

将来的に蓄電システムが確立されれば、送電線から切り離された状態、いわゆるオフグリッドと呼ばれるものが現実味を帯びてきますが、それはまだ少し先の話のようです。
現状の太陽光発電システム単体では、停電時は1500wまでの非常用コンセントしか使用できないので、過度な期待は禁物です。

色々計算などを行って熟考してみましたが、結論としては太陽光パネルは家づくりでは最後のほうで『ムリなく載せられるなら載せる』という考えに達しました。

想像しなかった太陽光パネル設置のメリット


これは意外なことでしたが、一部で太陽光パネルを屋根に載せると家が涼しくなるという意見を見ました。
実際に暑い日に架台に載ったパネルの下の地面を触ってみたところ、その温度には大きな差がありました。
単純に日向と日陰の違いですが、直射日光が屋根にそのまま当たれば当然家は温まります。
太陽光パネルにより日光が遮られれば冷房にかかる電気代は削減できますし、その電気も太陽光から生み出されるとは、まさに文明の利器ですね。

立地によっては屋根の太陽光パネルの存在が気になる


ママたぬきはまだ家を建てていないので太陽光パネルの存在は気になってはいません。
しかし街を散歩してて「もしこの屋根に太陽光パネルがあったら嫌だな」と感じることはあります。

こればかりは実際に建物が建ってみないと判断は難しいですが、デザインを重視して屋根素材を選択した場合は、外観上かなり悪い方向に働くと思います。
逆に周囲がフラットでなおかつ屋根形状が勾配の少ないものや陸屋根であれば太陽光パネルの存在にまったく気が付かなかったなんてケースもありますので、パネルを上手く載せられるかどうかはよく検討したほうが良いと思います。

太陽光パネルを載せるフローチャート


【太陽光発電を早く始めたほうが良いケース】
 ・10年間で確実に元が取れるほど電気を消費する人
  (日中の電気消費量が多い/電気自動車に乗っている)
 ・家の構造や形状が太陽光発電に元々適している人
 ・万一の事態に少しでも備えたい人
 ・自家発電やエコへの関心が高い人

【太陽光発電を安易に始めないほうが良いケース】
 ・収益性重視で考えている人
 ・何となくで考えている人
 ・形状が太陽光パネルに適していない家
  (南道路に面していて屋根がよく見える/屋根が頻繁に手入れが必要な素材)
 ・太陽光パネルを載せるために無理して家づくりを進めている人

ママたぬきの独断と偏見ですが、太陽光発電について何年間か検討を重ねた結果から導き出されました。
ちなみにママたぬきは陸屋根のRC住宅を購入予定のため、暑さ対策を狙って太陽光発電を導入予定です。





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